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市立船橋守備妨害を解説「審判の判断は妥当」

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7月27日に開催された高校野球千葉大会決勝戦。延長10回に市立船橋高校の攻撃中、3塁走者が守備妨害を取られ、話題になっています。

守備妨害の正当性が大きな話題となっていますが、審判の判断が妥当だった可能性について見ていきましょう。

市立船橋守備妨害を解説「審判の判断が妥当」

話題となっている市立船橋高校の守備妨害についてSNSなどで調査すると、「審判の判断が妥当」という声が多く投稿されています。

 

木更津総合vs市立船橋
市船の三塁守備妨害は正しいし
最後木更津総合の守備妨害取らなかったのは正しいと思う。
でも二塁牽制の判定はアウトじゃない?
良い試合だったのにな〜。

ランナーのポジションの方が最初からおかしいと思うから、守備妨害で良いと思う。
審判よりも市立船橋の監督の心証がめっちゃ悪い。

正しいという指摘が相次いでいる審判の判断。SNS上に挙がっていた、市立船橋の守備妨害と言える理由をまとめてみました。

市立船橋の守備妨害画像「3塁ランナーにボールが直撃」

まずは市立船橋が守備妨害を申告された時のプレー内容を振り返ってみましょう。

市立船橋が守備妨害を申告されたのは延長10回の表。市立船橋の攻撃時で、状況は1アウト2.3塁の場面でした。

ピッチャーが第2球を投じた直後、キャッチャが立ち上がり、3塁へと送球します。

このボールが飛び出していた3塁ランナーに直撃。ボールはファールゾーンに転がっていきます。


この状況を見た市立船橋三塁ランナーはすかさずホームに走り出しました。

しかし、審判が両手を上げ、ホームインが不成立である事を訴え、三塁ランナーの守備妨害を申告した訳ですね。

一連の出来事が、市立船橋の守備妨害の流れであり、審判の判断が大きな話題となっている訳ですね。

市立船橋の守備妨害の理由「内側を走っていたからではない」

それでは、市立船橋の守備妨害が正当だと言われる理由を見ていきたいと思います。

まずは、大前提として、「三塁ランナーがラインの内側(ピッチャープレート寄り)を走っていたから守備妨害になった」という指摘が相次いでいますが、このようなケースでランナーが守備妨害を取られる事はありません。

野球のルールブックを参照してみると、「ランナーは塁間を結ぶ直線を中心に、左右3フィート以内を走らなければいけない」と取れる文章があります。

走者が、野手の触球を避けて、走者のベースパス(走路)から3㌳以上離れて走った場合。

引用元:http://yokouchibaseballclub.web.fc2.com/rules2020/rules2020-5.html#5.09b

このルールを図に示すと、このような感じになりますね。

基本的にランナーが走れる幅は、図のように中央の白い線を中心に左右3フィート以内なんです。

しかし、このルールの裏を返すと、三塁ランナーがラインの内側を走っていたとしても、3フィート以内なら問題ないという事になりますよね。

また、3フィートルールが適用されるのは、打者がタッチを逃れる事を防止する時のみ。

この様な状況以外は、基本的に3フィートルールが適用されず、例えば、他の選手の安全を考え、どうしても3フィートを超えてしまった場合は、アウトにならないようなんです。

引用:野球図鑑/ホームメイト

塁と次の塁を結んだ直線上の左右3フィートずつ、合計6フィート(約1.8m)の幅が走路と決められています。走路を外れて走っていても、通常は特に問題になりません。いわゆる勢いを付けるために膨らんで走塁するという場合です。ただし、野手からのタッチを逃れるために6フィートを超えて走塁すると、アウトが宣告されます。フライを捕球しようとしている野手やゴロを捕球しようとしている野手を安全にかわすために外れる場合には、適用されません。

今回の守備妨害は、タッチアウトをかいくぐろうとしありません。

その為、そもそも3フィートルールが適用されない事が、野球公式ルールを発信する、野球人というアカウントから指摘されていました。

今日の三塁けん制に関しては守備妨害をとる必要はなかったという意見もわかりますし、二塁けん制に関しては映像からアウトという意見もわかります。 ただ、3フィートに関する写真を貼っていますが、あのプレーに3フィートは関係ありません。 挟殺ではないので、どれだけ広がっても問題ないプレーです。

ケースバイケースで非常に複雑な3フィートルールですが、どちらにしろ、三塁ランナーがラインの内側を走っていたとしても、問題ない場面であった事は間違いないでしょう。

その為、ランナーが内側を走っていたから守備妨害が成立するという解釈は間違っています。

では、どうして市立船橋が守備妨害を取られたのか?

その理由は非常に単純で、キャッチャーから三塁手への送球を妨害したと見られた事が原因でしょう。

走者が、送球を故意に妨げた場合、または打球を処理しようとしている野手の妨げになった場合。

引用元:http://yokouchibaseballclub.web.fc2.com/rules2020/rules2020-5.html#5.09b

今回のケースを、審判が送球を故意に妨げた場合に該当すると判断した訳ですね。

市立船橋の三塁ランナー「送球を妨害したとみなされた」

それでは、本当に市立船橋の三塁ランナーが意図的に送球を妨害したのか?

こちらについては野球経験者から様々な意見が寄せられていました。

まずは三塁ランナーの位置ですが、野球経験者からすると、塁間を結ぶラインより外側、つまりファールゾーンにいる事が常識の様ですね。

そもそもだが三塁ランナーは疑われないようファールラインより外側でリードしないと駄目
これは野球やったことある人なら常識

理由は、フェアゾーンに飛んできた球に当たると、三塁ランナーがアウトになる確率が非常に高いためです。

ファールと判定された球が三塁ランナーが当たったとしても、アウトになる事はありません。

万一の場合、三塁ランナーがアウトにならないように、ランナーのラインの外側に構えている事が、野球経験者からすると、当たり前の対策のようなんです。

しかし、キャッチャーから三塁に送球された直後の映像を振り返ってみると、市立船橋の三塁ランナーはラインより内側を走っていました。

野球経験者の話から、市立船橋の三塁ランナーの位置に対して、審判が違和感を覚えていたとしても、おかしくはないでしょう。

続いて、市立船橋の三塁ランナーがボールを見ながら塁に戻って行っている事を指摘する声もあがっています。

切り返し時に本能的にこんな戻り方にはならない
そしてボール見て当たりに行ってるやろこれ
珍しく球審GJだと思うわ

市立船橋が守備妨害を申告された時の映像を振り返ってみると、確かに三塁ランナーがキャッチャーの様子を伺いながら、塁に戻って行っているように見えます。



この映像から、市立船橋の三塁ランナーがキャッチャー送球を確認し、わざと当たりに行ったと感じた人もいました。

また、市立船橋の三塁ランナーがヘッドスライディングで三塁に飛び込まなかったことに疑問を覚えている人もいます。

1球目はキャッチャーが投げないのを見てスライディングで帰塁。次の投球でキャッチャーが投げるのを確認してスライディングせず三塁手の前に立って自分から当たりにいく。これはかなり練習していたと思われますね。

どうやら、守備妨害が取られる前にも三塁ランナーが帰塁した場面があったようなのですが、この時はヘッドスライディングで塁に戻ったそうなんです。

しかし、守備妨害となった時は、アウトになりかけているにも関わらず、タッチをかいくぐる様子を見せていません。

これらの出来事に疑問を覚え、「わざとなのでは?」と指摘する声が挙がっている訳です。

その他、キャッチャー経験者からは、「送球には問題が無かった」「完璧な送球だった」という投稿も行われていました。

市立船橋vs木更津総合リアタイしてて 市船の三塁ランナー帰塁の件やけど… キャッチャーしてたからわかるけど、 結論、守備妨害です。なぜならば、 走者が正規のルートで帰ってないから。 キャッチャーはあそこに投げるしかないし。 そう教わっているはず。完璧な送球でした。

色々と意見が挙がっていますが、野球経験者の投稿から、市立船橋三塁ランナーが守備妨害を行ったと言われている理由をまとめると、このようになりますね。

市立船橋三塁ランナーが守備妨害だと言われる理由
  • 野球の常識からは、本来ならラインの外側にいるはずなのに、内側にいた
  • 何度もキャッチャーの送球を確認していた
  • ヘッドスライディングでタッチをかいくぐろうとしなかった(その前はヘッドスライディングで帰塁)
  • キャッチャーの送球には全く問題が無かった

この様に、野球経験者は、様々な点で、市立船橋三塁ランナーに疑問を感じていたようなんです。

もちろん、市立船橋三塁ランナーが故意に行ったという確証はありません。

しかし、野球経験者がこのように感じている事から、ルールにより精通している審判が同じように疑問を持ったとしても、全くおかしくは無いですよね。

審判も市立船橋三塁ランナーの動きに疑問を覚えたのか、故意にボールにぶつかったと捉え、守備妨害を申告した可能性が非常に高いです。

市立船橋への誤審「二塁はけん制でアウト」

三塁ランナーの守備妨害以外にも、誤審と言われている出来事が発生しています。

その一つが、10回裏に起こったけん制球への対応です。

木更津総合の攻撃時、市立船橋は二塁へとけん制を行いました。その時の映像がこちらですね。

画像を見てもらうとお分かりになると思いますが、木更津総合ランナーが帰塁する前に、クラブが足に触っており、完全にアウトである事が確認できます。

しかし、審判のジャッジはセーフ。三塁ランナー守備妨害の時と違い、この判定は完全に誤審となっています。

この出来事もあり、SNSを中心に、「市立船橋がかわいそう」という意見が多数投稿されていました。

木更津総合も守備妨害?「市立船橋一塁手に激突」

10回裏の木更津総合の攻撃時、「木更津総合も守備妨害をした」と指摘されるようなプレーも起こっています。

10回裏、二塁けん制による誤審が発生した直後、木更津総合のバッターはバントを選択。転がった球を三塁手が補給し、一塁へと送球しました。

しかし、この時、木更津総合のランナーが市立船橋の一塁手と激突してしまったんです。

この接触のためなのか、市立船橋の一塁手は捕球に失敗。その間に、木更津総合のランナーがホームに帰り、試合は木更津総合のサヨナラ勝ちとなりました。

10回表の守備妨害が起こったばかりでの出来事だった事もあり、この接触に対しても、「守備妨害なのでは?」という意見が浮上している訳ですね。

しかし、このプレーに関しては、木更津総合に落ち度はないという意見も多数挙がっています。

木更津総合vs市立船橋

・3塁守備妨害→取られても仕方ない
・2塁セーフ→ランナーが上手い
・1塁→ランナーは何の問題もない

この試合関連で問題があるのは「市船かわいそう」で表示される一部のXユーザーでしょ。

その理由となっているのが、スリーフットレーンの存在です。

バッターが球を打ち、ランナーとなった場合は、一塁横にあるスリーフットレーンという場所を走行する義務があるんです。

木更津総合のランナーを確認してみると、選手は確実にスリーフットレーンを走っています。

この事から、木更津総合のランナーに落ち度は無く、守備妨害とはなり得ない訳ですね。

ちなみに、木更津総合のランナーが守備妨害となるケースは、スリーフットレーンを外れ、内側(ピッチャー寄り)を走り、市立船橋の守備に影響を与えた場合となります。

どちらにしろ、木更津総合のランナーが守備妨害に当たる事はないんです。

この様に、千葉大会決勝10回は、誤審や守備妨害など、多くの波乱が起こりました。その結果、非常に後味の悪い試合となってしまい、負けた市立船橋には「かわいそう」という意見が多数投稿されているんです。

しかし、この意見とは逆に、「市立船橋が審判のせいで負けた訳じゃない」という意見も挙がっています。

市立船橋かわいそうって何やねん、サードランナーは内側走ってるから守備妨害やしセカンド牽制だって微妙なタイミングだからセーフでも違和感無いし最後は普通に暴投やし。審判が作った試合じゃない。紙一重で負けたってだけ。

調べた限り、審判が市立船橋が不利になるような判定を行ったシーンもありましたが、それ以外はルール通りのジャッジだと言わざる得ない状況でした。

その為、「審判のせいではない」という意見も、けっして的外れな物ではないでしょう。

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